2025/06/14

職務経歴書はどこまでさかのぼる?すべて書くべきか、まとめるべきか迷ったときの判断軸と実例集

転職活動で避けて通れない「職務経歴書」。

その作成時、多くの人が迷うのが次のような点ではないでしょうか。

「職務経歴書はどこまでさかのぼる?20年前の仕事も書くべき?」

「転職回数が多すぎて全部書くと膨大に…」

「異業種経験があるけど、それも含めた方がいい?」

実は、「職務経歴書はすべての経歴を書くべき」という原則を持ちながらも、その見せ方や重点の置き方によって、“伝わる書類”に仕上げることができるのです。

この記事では、「すべて記載しながら、関連性を明確に」「まとめても問題ない部分を見極める」という、両立可能な視点をベースに、実例を交えて職務経歴書の“さかのぼり方”を解説します。

 

【原則】職歴はすべて書くべき。その理由とは?

採用側は「経歴の空白」や「一貫性の有無」を見ています。

そのため、職務経歴書は、応募者のキャリアの全体像をつかむための重要資料です。

途中の経歴を意図的に省くと、次のようなリスクを伴います。

「都合の悪い職歴を隠しているのでは?」

「仕事が続かないタイプでは?」

「履歴書と整合性が取れていない」

【事例1】経歴を一部省いたことでマイナス評価に(40代・男性)

小売 → 営業 → 飲食 → 現・事務職。

過去の飲食経験を省いたことで「空白期間」が生まれ、面接で不審がられる。

すべて書いたうえで関連性のある部分だけ詳細にする形に変更 → 内定獲得。

 

企業によって“重視する過去”は違う

たとえば、以下のように“古い経歴”が重視されるケースもあります。

▷ベテラン層向けポジション :マネジメント経験の源流を知りたい

▷異業種歓迎求人 :他業種での経験や接客スキルが活きる

▷人柄・価値観重視の企業 :キャリアの変遷を通じて人物像を読み解く

【事例2】15年前の飲食経験が活きたケース(30代・女性)

人材会社の営業職へ応募。

新卒で飲食店勤務していたことを記載したところ、「現場経験者の視点がある」と高評価。

実際、クライアント企業は飲食業界が中心だった。

 

【応用】関連性が薄い職歴は“まとめる”ことでOK

記載の「深さ」は変えても良い

すべての職歴を書くのは基本ですが、すべてを均等に詳しく書く必要はありません。

応募ポジションと無関係な職歴は、まとめたり簡潔に書いたりしても差し支えありません。

【事例3】転職7回の営業職(30代・男性)

初期キャリアは販売職や派遣業務が中心。

過去の職歴を「職務内容と期間」だけ1行で記載し、直近3社の営業成果を具体的に記述 → 書類選考通過率が30%以上向上。

「業種がバラバラ」な場合もOK

キャリアチェンジを経て現在に至る場合は、一貫性を重視するよりも「変化の理由」や「汎用スキル」を軸に整理すると納得感が生まれます。

【事例4】事務 → 営業 → 総務(20代後半・女性)

3業種を経験しバラつきがあったが、「社内外との調整業務」「書類管理・折衝」など共通スキルで横断的に整理。

「柔軟に職種を超えて働ける人材」として評価された。

【テンプレート】簡単なまとめ表記例

  • 株式会社〇〇(2008年4月〜2012年3月)

職種:販売スタッフ(アパレル)
概要:接客、売上管理、在庫発注等を担当。店長代行経験あり。

  • 株式会社△△(2012年4月〜現在)

職種:法人営業
業務内容:新規法人開拓、既存顧客フォロー
実績:月間売上200万円達成、チームリーダーとして部下3名をマネジメント
使用ツール:Salesforce、Excel、PowerPoint

【目安】職務経歴書で遡る年数のガイドライン

年代

遡り目安

書き方のポイント

20代

新卒からすべて書く

職歴が少ないので詳細に記載。インターンやバイトもOK

30代

原則すべて。ただし10年超の前職は要約可

直近5〜7年を重点的に書き、過去は整理してまとめる

40代以上

20年以上の職歴でも全体像を記載

詳細は直近10年に絞り、古い職歴は1〜2行に要約

 

【形式】職務経歴書の見せ方を工夫するテクニック

①「表形式」で長い職歴を視覚的に整理

【事例5】50代・製造系マネージャー(職歴25年)

表形式で「会社名/在籍期間/職種/主な業務・成果」を記載。古い職歴は行数を減らして簡潔に整理。

応募職種に関わる業務だけ段落を使い詳細化 → 見た目も読みやすく評価◎

②「スキル軸」で共通点を引き出す

【事例6】異業種経験多数のクリエイター志望(30代・男性)

広告代理店・イベント運営・フリーライターなど多岐にわたる職歴を、「コンテンツ企画」「ディレクション」「ライティング」などスキルごとに分けて整理。

面接で「即戦力の引き出しが多い」と言われた。

 

【補足】まとめ記載のときに気をつけたいこと

ブランクを感じさせないこと

省略や要約の中で、職歴に「空白期間」が生じないように注意しましょう。

【事例7】育休+時短勤務の経歴を省略(30代・女性)

一時的な非正規雇用を省いたところ、「5年ほど職歴が空白」に見えてしまった。

簡単な記載でも「在籍実績あり」と明記したことで、疑念を払拭。

履歴書と矛盾しないこと

履歴書に記載された勤務先・期間と、職務経歴書が食い違うと「信頼性」に関わります。

要約していても、すべての在籍先が網羅されている状態にするのが基本です。

【まとめ】“すべて書いた上で、読ませる工夫を”

職務経歴書は、応募者自身のキャリアの“履歴書+パンフレット”。

以下の項目を守ることで、長いキャリアでも、職歴が多くても、「伝わる職務経歴書」が実現します。

ポイントまとめ
◾️職歴は原則すべて記載する
◾️信頼性・整合性を保ち、全体像を正しく伝えるため
◾️関連の薄い経験は簡潔にまとめてOK
◾️応募職種との関連度で“詳細 or 要約”を使い分ける
◾️見せ方・構成を工夫する
◾️表形式・スキル軸などで視覚的に整理し、読みやすく

あなたにぴったりな求人多数!求人一覧はこちらあなたにぴったりな求人多数!求人一覧はこちら