「職務経歴書に書くことがない」と悩んでいませんか?
実は、特別な実績がなくても「視点」を少し変えるだけで、あなたの経験は魅力的な強みに変わります。
採用担当者が知りたいのは、派手な成功体験よりも日々の業務に対する「再現性のある能力」です。
本記事では、誰でも書けるようになる具体的な3つのステップと例文を解説します。
目次
1. はじめに:「書くことがない」と感じる原因と、その誤解
職務経歴書の作成で「書くことがない」という壁にぶつかる方は少なくありません。
特に転職経験が少ない方、異業種へのキャリアチェンジを志す方、目立った実績がないと感じている方々に多く見られます。
なぜ、そう感じてしまうのでしょうか。その背景には、職務経歴書に対する大きな誤解があります。
誤解:「職務経歴書=特別な成功体験のリスト」
多くの方が、「大規模プロジェクトの成功」や「数億円単位の売上達成」といった、華々しい経験や高い役職経験でなければ記載する価値がないと思い込んでいます。
しかし、この認識は正しくありません。
採用担当者が本当に知りたいのは、「入社後、あなたは何を、どのように会社に貢献してくれるのか」という「再現性のある能力」です。
日常の定型的な事務作業、顧客対応、チーム内の円滑化など、一見すると地味な業務の裏側にも、あなたの責任感、計画性、コミュニケーション能力といった「隠れた強み」は必ず存在しています。
このコラムでは、それらの「隠れた強み」を見つけ出し、採用担当者に響く「書き方」を徹底的に解説します。
2. 書くことを「見つける」ための3つの視点転換
「書くことがない」という状態から脱却するためには、これまでの業務を振り返る際の「視点」を変える必要があります。
以下の3つの視点で、あなたの経験を徹底的に分解・再構築しましょう。
視点①:業務を「タスク」ではなく「役割と成果」で捉え直す
職務経歴書で最も避けたいのは、「〇〇業務を担当しました」「マニュアル通りに処理しました」といった、単なる「タスクの羅列」です。
これは、あなたがその業務を通じて会社にどのような価値を提供したのかが伝わりません。
| NG例:電話応対、来客対応、書類整理を行った。 OK例:会社の顔として迅速な電話応対と丁寧な来客対応を徹底。待ち時間解消のため、受付システムの運用フローを改善し、対応スピードを20%短縮した。 NG例:データ入力、集計作業を担当した。 OK例:担当部門の月次業績レポート作成において、複雑なデータを可視化する新たな集計手法を導入。経営判断のスピードアップに貢献した。 |
【行動の分解フレームワーク】
- 何をしたか?(行動): 例)マニュアルを改善した
- なぜそれが必要だったか?(役割・課題): 例)マニュアルが古く、新人の教育に時間がかかっていた
- その結果どうなったか?(成果): 例)新人研修期間が平均1週間短縮された
このフレームワークで日常業務を振り返ることで、「書くことがない」と思っていたタスクが、具体的な「貢献実績」へと変わります。
視点②:職種を問わず活かせる「ポータブルスキル」に光を当てる
専門的なスキルや資格が少なくても、どの職種、どの会社でも必ず求められる普遍的な能力があります。
これがポータブルスキル(持ち運び可能なスキル)です。
採用担当者は、未経験職種への応募者や経験が浅い応募者に対して、特にこのポータブルスキルを発揮したエピソードに注目します。
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ポータブルスキル |
職務経歴書での表現例 |
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コミュニケーション能力 |
部署間の連携が不十分だった際、定期的な情報交換会議を自ら提案し、ファシリテーションを担当。部門間のミスを前年比半減させた。 |
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問題解決能力 |
顧客からのクレーム増加に対し、原因を徹底的に分析。マニュアルの記述不足を発見し、改訂を提案・実行した。 |
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計画性・実行力 |
納期が厳守されるプロジェクトにおいて、ToDoリストを細分化し、毎日進捗をチェックする独自の手法で管理。納期遅延ゼロを継続。 |
職務経歴書に書く際は、「コミュニケーション能力があります」と書くだけでなく、「〇〇という具体的な状況で、△△という行動をとり、□□という結果を出した」というエピソードとして記述することが重要です。
視点③:「数字」と「固有名詞」でリアリティを出す
あなたの経験を抽象的な表現で終わらせず、説得力とリアリティを持たせるには、「数字」と「固有名詞」を使うことが最も効果的です。
数字の利用例:
「多くの顧客」→「50社の法人顧客」
「業務を効率化した」→「作業時間を30%削減した」
「チームで協力した」→「6人のチームで目標を達成した」
固有名詞の利用例:
「管理ツール」→「Google Workspaceを活用し」
「システムの入れ替え」→「SFA(営業支援システム)導入プロジェクトに参画」
「私は〇〇を頑張りました」ではなく、「私は〇〇(数字)を達成するために、△△(固有名詞)という行動をとりました」と書くことで、採用担当者はあなたの貢献度と再現性を具体的にイメージできるようになります。
3. 「書けない」人が陥りがちな3つのNGポイントと改善策

視点転換を理解しても、実際の作成過程で陥りがちな落とし穴があります。
NG 1. 受動的な表現で終わっている
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NG例: 「上司の指示に従い、〇〇作業を行いました。」 |
たとえ指示された業務であっても、その中で「いかに効率よく処理したか」「ミスの発生を防ぐためにどのような工夫をしたか」といった「自分なりの付加価値」を主語にして記述しましょう。
NG 2. 応募先の企業に合わせていない
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NG例: どんな企業に応募するときも、同じ内容の職務経歴書を使っている。 |
応募先の企業が求めているスキル(例:「チームリーダー経験」「顧客対応力」「新しいITツールへの順応性」など)を求人票から把握します。
そして、あなたの過去の経験のうち、そのスキルを最も強く裏付けるエピソードを選び、強調(太字にするなど)して記述してください。
職務経歴書は、応募企業ごとに内容を調整・最適化することで、その効果を最大限に発揮します。
NG 3. ブランク期間を「何もなし」で終えている
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NG例: 転職期間や育児・介護などで仕事をしていない期間を、完全に空白にしている。 |
「〇〇資格取得に向けた勉強(学習時間:〇〇時間)」「職業訓練への参加」「家族介護で培ったマルチタスク能力」など、仕事復帰に向けた意欲を示す活動や、新たな環境で活かせるスキルに繋がる活動を記述しましょう。
ブランクを「ブランク」ではなく、「スキルアップ期間」として位置づけることが重要です。
4. まとめ:あなたのキャリアは「書くこと」に溢れている
「職務経歴書に書くことがない」という悩みは、「まだ自分の経験を適切な視点で見つめ直せていないだけ」です。
今日から、あなたの日々の業務を「タスク」ではなく、「役割と成果」の視点で捉え直す練習を始めてみてください。
小さな工夫、チームへの小さな貢献、問題解決の積み重ねが、採用担当者の目に留まる強力なアピールポイントへと変わります。
ぜひこのコラムを参考に、あなたらしい強みを記載した職務経歴書を完成させてください。
職務経歴書の作成と並行して、どんな企業があなたのスキルを求めているのか調べてみましょう。
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