転職活動で求人を見ていると、応募資格の学歴を「大卒以上」とする企業が多いことに気がつく人も多いのではないでしょうか。
本記事では、多くの企業がなぜ採用条件として「大卒以上」と学歴を指定するのかについて、分かりやすく解説します。
大卒以外の人が転職で成功する方法もお伝えしているので、ぜひ参考にしてみてください!
目次
1. 大卒以上の求人割合は?
採用の応募条件で学歴を「大卒以上」とする企業は少なくありません。
とある転職サイトにおける大卒以上の求人割合は「44%」、学歴不問の求人は「40%」というデータもあります。この場合、大卒以外の場合は44%の求人に応募できない、ということになってしまいます。
高校卒業後しばらくしてからの就職活動や、高卒・専門卒といった学歴での転職活動は厳しい状況が予想されます。
もちろん学歴不問の求人もありますが、非正規やパートタイムの募集であるケースが多いでしょう。
2. 大卒以上の人材を欲しがる理由
転職活動では「現在勤めている企業よりも条件の良い企業へ転職したい」と考える人がほとんど。
福利厚生などの条件が良く、一般的にホワイト企業と呼ばれる企業では応募条件のハードルが高く、学歴も大卒以上と指定する場合が多いでしょう。
多くの企業が大卒以上の人材を欲しがるのは「応募者の能力の判断材料」としての側面と「採用活動の効率化」を求めた結果であると考えられます。
努力の指標として信頼できるから
大学全入時代と言われる現在では「大卒」の肩書きを持つ人は珍しくなく、一概に大卒=優秀な人材とは言えません。
反対に、高卒でもとても優秀な人材も中にはいるでしょう。
しかし、そのような優秀な人材を見抜くのは容易ではありません。
そのため、企業は応募者を「大卒以上」と限定することで、優秀な人材を獲得できる確率を少しでも上げたいと考えています。
大学のレベルはピンキリとは言え、受験勉強や入試を乗り越えて大学に入学し、しっかりと卒業していることで「大卒以上」の条件は「きちんと努力ができる人材」の指標として見られているのです。
専門知識を身につけている人材を見つけやすい
業務で専門的な知識を必要とする場合、大学名や学部などから専門知識を持った人材を見つけやすくなります。
即戦力となるレベルの知識ではなくても、「基礎知識を持っている人材」として判断材料として学歴を使います。
教育の負担を減らすため
大手企業では新人の教育を専門に行うチームがあったり、プログラムが充実していたりしますが、中小企業では難しいケースが大半です。
特に転職で入社してくる中途採用の人材に対しては、一般社員が自身の業務のかたわらにOJTを担う場合が多く、新人教育を負担に感じる社員も少なくありません。
中小企業の多くは、なるべく教育の負担がかからない人材を採用したいと考えています。
基礎学力があり一般教養も身についている可能性が高い「大卒以上」の条件を課して、「コスパの良い採用活動」を希望しているのです。
効率よく採用活動を行うため
採用担当者が履歴書と数回の面接のみという短い採用活動の中で、応募者が自社に合う人材かどうか適切に判断をするのはとても難しいことです。
「学歴不問」として応募条件を下げると、多くの応募者を集められる可能性はありますが、多数の中から自社に合う人材を見つける作業が困難になってしまいます。
応募者を集めにくいというリスクを負ってでも、「大卒以上」とフィルターをかけて応募者を絞り込む必要があると考えています。
現役の中卒・高卒の採用活動がやりづらい
現役の中卒や高卒者の採用活動は学校やハローワーク斡旋がメインのため、応募者と企業の間に第三者を介在して行われます。
対象が未成年のため、転職者の面接よりも質問内容や試験・面接の回数が指定されているケースも。
また、自ら入りたい企業を探す転職活動とは異なり、中卒や高卒の就職活動ではある程度限定されたリストの中から企業を選ぶ、という形式がほとんどです。
そのため、入社後のミスマッチや社員として仕事への意欲が湧きにくいなどの事態がおこる可能性もあります。
「自由に面接や採用活動がしたい」と考え、中卒・高卒者の採用を避け、大卒者を限定とする採用に振り切る企業が出てくるのも仕方ないのかもしれません。
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3. 大卒以外の人が転職成功を目指す方法
新卒採用では「学歴フィルター」が存在し、「大卒以上」という条件はもちろん、大学名だけである程度の学力や能力を判断する企業も少なくありません。
しかし、中途採用では同じく「大卒以上」を条件にする企業も多いものの、これまでの社会人経験を重視する傾向があります。
学歴は学力やもともとの能力を判断する材料にはなりますが、学歴や「大卒以上」の条件に満たないからと合否の決定理由にはなりません。
では、大卒の肩書きがない人が転職を成功させるには、どのような転職活動を行なえば良いのでしょうか。
新卒採用で学歴重視の企業は中途採用も同様
業界・業種によって学歴を重視する割合は異なります。
一般的に学歴フィルターが「厳しい」と言われる業界では、中途採用でも学歴を重視する傾向があるので「大卒以上」の条件は必須としている求人が多いです。
<例>
教育・商社・金融・保険・メーカーなど
コミュニケーション力を重視する企業が狙い目
旅行業・小売業・飲食業など、接客を含む仕事の中途採用ではコミュニケーション能力を重視するため、応募条件で「学歴不問」としているケースが多いです。
条件に「大卒以上」とあった場合でも、面接での印象を重視する企業が多いため、書類選考を通過できる可能性があります。
業務に関する資格を持っていればアピール
業務をする上で必要になる資格を持っていると、転職活動でかなり有利になります。
中途採用では業務に関する知識・スキルをすでに持っていて、入社後に即戦力となる人材が求められるため、資格は学歴をカバーする材料になるでしょう。
転職活動で学歴に自信がないと感じる人は、希望する業界や業種に関する資格を調べて見るのがおすすめです。
応募するまでに取得できなくても「資格取得を見据えて勉強中である」と伝えるだけでも効果的です。
4. スキルや経験を適切にアピールしよう
転職における応募条件の「大卒以上」は応募者の能力の目安として書かれているケースが多く、新卒採用と比べると重要視しない企業がほとんど。
人柄やこれまでの経験を評価してくれる企業も多くあるので、さまざまな企業の求人を探してみましょう。
自分が実現したいこと・なりたい未来を見据えて、前職や社会人歴の中で経験してきたことや培ったスキルを適切にアピールすることが大切です。
学歴にとらわれすぎず、自分を信じて転職活動を成功させましょう。
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